決勝戦の最終風景

ロコ・ソラーレのカナディアンオープン優勝については、各種の報道のほか、選手や関係者からの祝福の声が寄せられているようです。

決勝進出のときの吉田知那美選手のインスタグラムには、サラ・マクマナス選手(たしか出産後)から「Good luck(ハートマークと握りこぶしマーク)」のコメントが入っていました。

また、優勝後には、ほぼ日本語のみのインスタ(ただし動画付き)なのに、イブ・ミュアヘッドさんからの祝福メッセージが。
グランドスラムの公式インスタ(?)のロコ優勝記事には、チーム・ホーマンのアカウントで「Congrats on your first slam win!(ハートマーク)」が。

海外からだけでなく、知那美選手のインスタで彼女の親友として知られる元選手の名前を見たような気がしますし、フォルティウスの吉村紗也香選手や、元富士急の小穴桃里選手はツイッターで優勝を取り上げています。
とかく反応の遅さが話題になるらしい(?)日本カーリング協会JCA)も、ツイッターで。

 

さて、グランドスラムのインスタに、決勝戦のハイライト動画が掲載されています。
そのゲームの最終場面を図にしてみました。
赤がチーム・フジサワ(ロコ・ソラーレ)、黄がチーム・エイナーソン。

チーム・フジサワが2点リードしているので、チーム・エイナーソンは2点以上を取らなければ負けます。

 

 

ここでチーム・エイナーソンはタイムアウトを取りました。
コーチが何か言っていますが(すみません、私は正確にはわかりません)、局面を見つめていたエイナーソン選手は、振り返ってチーム・フジサワに握手を求めに行きました。
コンシードです。チーム・フジサワの優勝が決まりました。

 

素人なりに考えるなら、2点を取るためには、

A1)直接、赤のNo.1を狙って1と2をダブルテイクアウトし、かつ、その投げた石(シューター)を赤の4より内側に残す

A2)直接、赤のNo.1を狙って1と2と4をトリプルテイクアウトし、かつ、その投げた石(シューター)をハウス内に残す

 

B1)直接、黄のNo.3を狙って、赤の1と2をダブルテイクアウトし、かつ、No.3だった石もシューターも、赤の4より内側に残す

B2)直接、黄のNo.3を狙って、赤の1と2と4をトリプルテイクアウトし、かつ、No.3だった石もシューターも、ハウス内に残す

 

C)黄のガード(XかY)を狙って、そのガードをハウス内に飛ばして(ランバック)、上のどれかの状況を作り出す(飛ばしたガード、No.3だった石、シューターのうち、2個はハウス内で得点となる位置に残す必要がある)

 

というあたりでしょうか。

 

無理です(笑)

ダブルテイクアウトは可能性がゼロではないと思いますが、どの選択でも黄が2個以上、有効な得点範囲に残るとは思えません。
黄のXYも、どういう経緯で配置になったのかわかりませんが、少なくともこの局面ではない方がよい石になっています(No.3へのアプローチを難しくしている)。

 

エイナーソン選手は、たぶんもっと高度で精密な判断だったのではないかと思いますが、結局「いちかばちか」というショットを狙わず、コンシードを選びました。
将棋で投了を決めた棋士のように、爽やかなふるまいに見えました。
世界ランクNo.1の風格でしょうか。