PCCC準決勝カナダ戦1

パンコンチネンタルカーリング選手権(PCCC)で、日本女子代表のベストゲームを挙げるとすれば、準決勝カナダ戦だろうと私は思います。
(異論はあってもよいでしょう。)


なお、この記事の図の各ストーンの位置は、世界カーリング連盟(WCF)のウェブサイトなどの情報を参考にしましたが、正確には再現できていません。
ストーンのコース(カーブを描いているはずのカムアランドを含め、単純な直線的矢印で表示)も同様です。
あくまでイメージとしての図です。

 

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
日本  0 0 0 1 0 1 0 0 3 1  6
カナダ 0 1 1 0 1 0 1 1 0 0  5

では、5-2でカナダリードの第9エンドから。

全体の12投目、日本のサード・吉田知那美選手の2投目(赤)は、黄(カナダ)のNo.1ストーンにピタリとつけるフリーズでした。


13投目、カナダのスキップ・エイナーソン選手は、その赤の側面に薄く当てて、その赤だけを出そうとしましたが、赤はハウス内に残り、No.1だった黄のみがハウス外に出ました。
知那美選手のフリーズが絶妙で、カナダの選択はそもそも難度が高かったように思います。かといって、この場面を放置しておけば、後攻の日本が最終的に(フリーズした)赤に当てて黄を排除し、複数点を取りに来るのは目に見えています。
フリーズした赤のさらに手前に黄を置いて、黄のNo.1を守りに行く選択もあったかもしれませんが、それも容易ではなく、赤の側面に薄く当てる方が確率が高いとカナダ側は判断したのでしょう。

 

14投目、日本のスキップ・藤澤五月選手は、残っていた黄をテイクアウト。本来なら、9時方向の赤となるべく離れた位置にシューター(投げたストーン)を残し、カナダのダブルテイクアウトを避けたかったのでしょうが、実際には複数テイクアウトが狙えるような配置になってしまいました。

15投目、カナダの最終投。
エイナーソン選手は9時方向の赤からダブルテイクアウトを狙ってきましたが、9時方向の赤1個しか出せませんでした。
16投目、日本の最終投で、藤澤選手は残っていた黄をテイクアウトし、シューターもハウス内に残しました。
これで3点獲得し、5-5の同点に追いつきました。

 

(つづく)