参院選公約斜め読み3

国民民主党が、「日本型ベーシックインカム」創設を公約として掲げています。
日本維新の会も、国民民主党と同じかどうかわかりませんが、ベーシックインカムを主張していたと思います。

 

「日本型」というのがどのような内容かは、選挙公報など簡易な資料だけではわかりません。
一般に、定額の給付を全員に行う代わりに、個別に行われる給付(生活保護、児童手当、児童扶養手当、各種の公的年金など)を廃止するというのが、ベーシックインカム制度の基本的な考え方なのでしょう。

 

ベーシックインカムの給付がどの程度の水準なのか、代わりに廃止する公的給付が何か、それによって財政支出が増えるのか減るのか変わらないのか、というようなことを明示しなければ、この公約に対する評価は困難です。

 

私の感覚としては、生活保護を始めとする多くの(おそらくは、ほとんど全ての)他の公的給付がなくなり、それに伴って各種のソーシャルワーカーなど行政の相談担当職員もいなくなるのではないでしょうか。
(そこまでやらないと、最も条件が悪い人が生活していくだけのベーシックインカム給付は確保できないと予想しています。)

 

で、お金をもらえれば、それで救われるか、憲法で保障されている最低限度の生活が行えるか、というと、それは難しい人が少なくないだろうと思います。

 

人間を救うためには、人間が必要です。
お金も必要な場合もありますが、人間がいなければ救えない人、金を受け取っても(禁治産者などではないのに)自分で管理できず、結果として次の支給日まで生活を維持できない人というのは、必ずあります。

 

私は、自治体の中で、保健所、福祉事務所、児童相談所のようなソーシャルワーカー的な職員(保健師もその中に含まれます)がいるところは、人員を手厚くした方が社会にとって得策と考えています。
一方、日本維新の会や国民民主党がそうだとは断定しませんが、国や地方の政治家の中には、こういう地味な(?)対人業務の職場は人員を減らして、代わりに万博、オリンピック、ワールドカップなどのような目立つイベントを開催するのが好きな人々もいます。

 

もちろん、政策のバランスは必要だろうとは思いますが、財源や公務員の人的資源をどの分野に重点配置するか、というようなことを明示したうえで、選挙に臨んでいただくと、有権者の選択の材料になりやすいと思うのですが・・・

 

ちなみに、産油国のような財源が豊かな国は別として、ある程度以上の人口を有する一般的な先進国でベーシックインカムを導入して成功した国というのは、私は知りません。