在外ロシア人を敵視してはいけない

ロシア専門店に嫌がらせか 識者「国家と個人の区別を」
時事通信 3/4(金) 7:04配信

 ロシア軍によるウクライナ侵攻が続く中、ロシア関連の商品を扱う店の看板が壊されたり、ロシア料理店の口コミに無関係な写真が貼り付けられたりするなど、日本国内で嫌がらせが疑われる行為が起きている。

 識者は「国家がやっていることと、その国の国籍を持つ人は明確に区別すべきだ」と指摘する。

 東京・銀座のロシア食品専門店赤の広場」では2月28日夕、立て看板に猛スピードで自転車が衝突し破損した。同店の経営者はウクライナ人で、スタッフもウクライナウズベキスタン出身という。看板は通行の妨げにならないよう店先に置いていたといい、店側は警察に被害を相談した。

 スタッフが身の危険を感じたため、3月2日にこの件を写真付きでツイッターに投稿。「お店と政治につながりはありません。私たちは日本とウクライナ、ロシア、その他の国々との懸け橋になりたいという気持ちで働いています」と記した。

 3日午後までに3万回以上リツイート(転載)され、読んだ人からは「あってはならないこと」「負けずに頑張って」などの書き込みがあった。

 このほか、ロシア料理店のネット上の口コミに戦場や兵士とみられる写真を貼り付け、低評価のレビューを大量に書き込むケースもあった。

 外国人の人権問題に詳しい師岡康子弁護士は「特定の属性を持つ人々への差別的動機に基づく犯罪であり、放置すればさらなる暴力の連鎖につながりかねない。すぐ止めるよう政府が呼び掛けるべきだ」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/15ea103784a7c975ff1217a911ddde0994bd195c

 


日本人やベトナム人が中華料理店を経営していたり、ネパール人がインド料理店を経営していたりということは、日本国内でも海外でも普通にありますよね。
この時事通信の記事の場合、「被害を受けた経営者がウクライナ人」という、全くやりきれない事件です。

 

もっとも、経営者がロシア人だったら何をやってもよい、という意味ではありません。

 

以前、こういう記事を書きました。

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ロシアでは報道やネット情報などへの締め付けが強化され、ロシア国民への(ロシア政府に都合が悪い)情報が届きにくくなっています。
一方、在外ロシア人、特に、いわゆる西側情報に触れる環境の人々は、今回のロシア軍の行動に批判的な傾向が顕著です(もちろん大使館員や工作員などは除きます)。
日本でも、在日ロシア人が在日ウクライナ人などとともに抗議デモに参加している姿を見ることができます。
(だから、日本国内のロシアやベラルーシ出身者を迫害すべきではありません。)
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2022/03/06/153544

 


ロシア国外で生活しているロシア人、特に(日本を含めて)西側情報に接している人々というのは、心を痛めている方々が多いと思います。
本国内の親族や知人に西側情報を伝えても容易に信じてもらえないという悩みもあるでしょう。
(もちろん、ロシア本国内で、国外情報を入手してロシア政府を批判している若い人々もいますが。)

そういう在外ロシア人たちと、できれば協力して、少しずつでもロシア国内の雰囲気を変えていくことにつながれば、と思います。

 

あまり関係ないけれど、ボルシチウクライナが本家で、そこからロシア料理やポーランド料理に影響を与えた、という説が有力そうです。
ピロシキウクライナ、ロシア、ベラルーシはもちろん、東欧など各地に広がっている感じですね。
料理文化の相互進出は、軍事侵攻と違って大歓迎なのですが・・・