大阪府は保健所崩壊?(1)

大阪府が濃厚接触者の特定を取りやめ 保健所の負担軽減へ 重症化リスク高い人へは引き続き実施
ABCニュース 1/19(水) 9:32配信

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて大阪府は、保健所の業務の負担を減らすため、高齢者施設の入所者など重症化リスクの高い人を除き、濃厚接触者を特定する調査を取りやめると発表しました。

 大阪府では18日、過去最多となる5396人が新型コロナウイルスに新たに感染し、府内の保健所では業務のひっ迫により対応の遅れが懸念されています。

 このため府は18日、保健所の業務の負担を減らすため、高齢者施設の入所者など重症化リスクの高い人を除き、感染者への聞き取りから濃厚接触者を特定する調査を取りやめると発表しました。

 濃厚接触の可能性がある人に対しては、自主的な自宅待機や医療機関への受診を求める方針に切り替えます。

 また自宅療養者についても、これまでは保健所が健康観察をしていましたが、今後は重症化リスクの高い人を除き、健康不安があった場合に府の電話相談窓口「自宅待機SOS」に自ら連絡するよう求めます。(0570-055221)

 この他、企業に対しては、濃厚接触者となる可能性のある従業員の特定について、今後は企業独自で実施し、自宅待機や検査などをすすめるよう求めることになりました。

 学校や児童施設に対しては、濃厚接触者となる可能性のある人の特定や検査のための検体の回収を求めています。

 高齢者施設や障がい者施設など重症化リスクの高い人が集まる施設では、引き続き保健所が濃厚接触者を特定し検査を実施するとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/91625bc76474c7c3dfa8b565cf1bda510f441b69

 


う~ん、今となってはやむを得ないのかな、とは思いながら、疑問は残ります。

もちろん、感染者急増で、保健所業務がひっ迫しているのはわかります。
第5波まででも    保健所の手が足りなくて、公式に、または実質的に濃厚接触者などの調査を行わなくなった自治体(大阪府を含めて)があったのも知っています。
限られた戦力を、より重要な分野に集中したい、というのも理解できます。

 

ですが、第5波が落ち着いてから、そこそこ時間がありましたよね?
それから今まで、病床の確保などの対応を行っていた自治体は(大阪府を含めて)多数ありました。
でも、第6波に向けて、保健所負担を軽減する有効な対策を、大阪府は取っていましたか?
たとえば、お隣の兵庫県では、保健所以外の一般職員(たぶん保健師等ではない事務屋)を対象に疫学調査等の研修を行っていました。
いざというときに、保健所の応援に行けるように。
(健康調査や病状確認は事務屋にやらせるのは無理ですが、濃厚接触者の調査などは可能です。)
また、同じ府内でも政令市や中核市などは「自前の保健所」をもっていますが、そういう市の中で、独自の対策を行っているところもあります(後述予定)。

 

大阪府では、何かしていましたか?
せめて、維新と親しい竹中平蔵氏が会長をやっているパソナなどの人材派遣会社にでも、何か働きかけとかはしていなかったのですか?

まあ、今の「第6波」でも、沖縄県広島県など、すでに疫学調査の、少なくとも一部について実施しない、という保健所も出てきています。
でも、そういうところは、すでに「まん延防止等重点措置」の要請をしていますよね。

大阪府は、これから近隣の京都府兵庫県と協議して、国に要請するかどうか、という段階ですよね?
ここまで保健所がひっ迫するまでに、手を打つべきだったのではないかと思うのですが・・・

 

参考までに、昨年10月30日時点(第5波が落ち着いてきた頃)の各都道府県の陽性者の状況から、
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2021/11/03/154045

現在(1月17日時点)までの増加数などを表にしてみました。

 

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人口10万人あたりで比較すると、大阪府は「まん延防止」中の3県(オレンジ色)に次ぐレベルにあり、追加決定となる13都県(黄色)よりも深刻なところに位置しています。
もちろん、まん延防止や緊急事態宣言は、感染者数だけでなく、医療ひっ迫度なども含めて考慮されるものではあるのですが。

 

(つづく)