鳩山氏の「大政翼賛会」発言

鳩山元首相が共産党・志位委員長の外交的ボイコット要求に「大政翼賛会のようだ」と天を仰ぐ
東スポWeb 12/13(月) 21:32配信

 鳩山由紀夫元首相(74)が13日、ツイッターを更新し、来年2月の北京冬季五輪を巡る外交的ボイコットで、共産党志位和夫委員長が賛同したことを嘆いた。

 鳩山氏は「日本共産党まで北京五輪で外交ボイコットを要求するに至ったとは…自民党からも主な野党からもポピュリズム的な強硬論ばかりが聞こえてくる。まるで大政翼賛会のようだ」と投稿した。

 友愛外交を掲げる鳩山氏は「日米同盟を盾に追随してはならない。今こそ、『価値観の違いを乗り越えた共存外交』の道を世界に示すべきだ」と岸田文雄首相に対し、バイデン米大統領やジョンソン英首相らに続いて、外交的ボイコットを行うべきでないと説いていたが、よもや日本共産党が要求したことに驚きを隠せない。

 鳩山氏は「考え方が違うからこそ、中国と話せる関係を保つことが国益なのに。岸田さん、ここで『犬の遠吠え』外交の誘惑に負けてはダメです」と付した。
最終更新:12/14(火) 15:22
https://news.yahoo.co.jp/articles/a299ca74474be2fe91a7dc19a54d5d636dbd8c95

 


鳩山由紀夫氏の発言に真面目にコメントするのは大人げないといわれるかもしれませんが・・・

 

・「日本共産党まで・・・」とありますが、自民から共産まで全て「外交的ボイコット」賛成というわけではない。
公明党は「外交的ボイコット」どころか単なる中国批判にもきわめて消極的。
自民党の中にも「親中派」とされる議員がいる。
日本共産党は、伝統的に中国共産党と不仲。このことを知らずに首相をやっていたなら不勉強だし、知っていて上の記事のような発言をしたのなら嘘つき。

 

現在の日本の状況を仮にでも大政翼賛会に例えるのは、同時代に苦労して戦った人々(たとえば翼賛体制下でも非推薦で当選を果たした斎藤隆夫氏)に失礼でしょう。

 

そもそも、「まるで大政翼賛会のよう」なのは、中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国(こちらは「民主主義」という四文字が国号の中に入っているのが恥ずかしいぐらいで、大政翼賛会のレベルをはるかに超えているが、中国だって似たようなもの)の方で、大政翼賛会があった頃の大日本帝国ですら、ウイグル人不妊手術を強制するような政策は取っていないはずです。

 

ついでに、先日の民主主義サミットについて。
米国が同サミットを開催したことや、参加国の選定については、いろいろ議論があることかもしれません。
どこまでが「民主主義国」として許容されるか、というのは難しいところですが、ごく基本的な要件に、「政権を批判しても生命に危険が及ばない」ということがあると思います。
アメリカ合衆国は、国民の分断やら、フェイクニュースを主張する政治家やらいろいろ問題はありますが、この基本的要件については普通に満たしています。
日本も、鳩山氏のような発言が(批判はめちゃくちゃ多いにしても)ネット上で公的機関に削除されることもなく、また、発言者の身柄が拘束されたりはしていません。

 

では、中国は、北朝鮮は、ミャンマーは、いかがでしょうか。


なお、私は必ずしも「外交的ボイコット」をしなければならない、とは考えていません。
この記事にある1~3のような「忠告」を、「鳩山特使」が中国政府に伝えてくる、というのでもかまいません。そんな勇気あるかな?
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2021/12/07/213852