維新は「正社員の非正規化」を目指すのか

前記事の関連です。

 

日本維新の会」所属の衆議院議員足立康史氏は、

 

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小泉-竹中路線の労働市場の流動化が上手くいかなかったのは、正社員という既得権に切り込めなかったから。改革が中途半端だったからです。労働市場改革をやり過ぎたのではなく、足りなかった。何が足りなかったかと言えば、正社員の既得権に切り込めなかった。
https://twitter.com/adachiyasushi/status/1442660032806473729

 

という意見を表明しています。

<正社員、正規雇用の勤め人は、不当に既得権益を受けていて、非正規雇用の勤め人から経済的な搾取をしている>
というのが「日本維新の会」の主張なのでしょうか?
それとも、竹中氏や足立氏の個人的な主張なのでしょうか?

 

「同一労働・同一賃金」を実現するのに、正規社員の収入を今の非正規社員並みに引き下げるのでは、経営者しか儲かりません。

 

もうひとつ。
「正規社員を非正規社員と同様に解雇できるようにする」
という考え方を、竹中平蔵氏や足立康史氏は持っているのではないでしょうか?
そして、「日本維新の会」も、そういう「改革」を目指しているのでしょうか?

 

日本維新の会 政策提言 維新八策 2021」には、

 

解雇ルールを明確化するとともに、解雇紛争の金銭解決を可能にするなど労働契約の終了に関する規制改革を行い、労働市場の流動化・活性化を促進します。同時に、労働移動時のセーフティネットを確実に構築し、フレキシキュリティ(柔軟性+安全性)の高い社会を目指します。
https://o-ishin.jp/policy/8saku2021.html

 

とあります。

「解雇ルールの明確化」
は詳細がわかりませんが、
「解雇紛争の金銭解決を可能にするなど労働契約の終了に関する規制改革」
というのは、金(一時金か)さえ出せば企業側の都合で自由に解雇できる、というように読めます。

ということは、
「解雇ルールの明確化」
というのは、<企業が一定の金さえ出せば、正規社員でも解雇できるようにする>ということでしょうか。

 

ということは、現在の労働契約法第16条

<解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。>

を廃止、または改定する、ということでしょうか。

つまり、竹中平蔵氏や足立康史氏、そして「日本維新の会」が目指しているのは、
非正規社員を正規社員の待遇にまで引き上げる>のではなく、
<正規社員を非正規社員の待遇にまで引き下げる>ということなのでしょうか。

 

この記事での断定は避けておきます。

<労働移動時のセーフティネットを確実に構築>

の具体的な中身など、詳細がわからないからです。

でも、「日本維新の会」のこの政策については、疑問が強く残ります。