「東京パラ雑感」という記事で、「車いす系の球技(ラグビー、バスケットボール、テニスなど)については、機会があれば、別記事に」と書いて放置していました。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2021/09/06/212514
書かなきゃ、と思いながら、ついついカーリングの話を。
9月10日から12日にかけて、北京冬季五輪女子カーリングの世界最終予選日本代表決定戦が行われました。
日本選手権2020年優勝のロコ・ソラーレと、同じく2021年優勝の北海道銀行(フォルティウス)との3戦先勝システムです。
ロコ・ソラーレは、平昌五輪の頃は「LS北見」として登録していましたが(登録名に愛称は不可で、所属する協会名か法人名や学校名、、居住している地域名、代表選手の姓などしか使えない)、2018年に法人化(一般社団法人)されたため、「ロコ・ソラーレ」が正式な登録名となりました。
結果は、3勝2敗でロコ・ソラーレの逆転優勝(以下、ロコ・ソラーレから見たスコア)。
第1試合:6-7(延長11エンド)
第2試合:7-8
第3試合:9-3
第4試合:8-6
第5試合:8-6
最初の2試合は、スコアは競ってはいましたが、ロコ・ソラーレのスキップ・藤澤選手のショットの精度がもうひとつかな、という印象。
ですが、第3試合、第4試合と、ロコソラーレ側のショットが良くなってきたような印象です。
北海道銀行のスキップ・吉村選手は、他のストーンを弾くテイク系のショットは良いのですが、置きに行くドロー系のショットの精度は、藤澤選手に一歩譲る感じでした(あくまで素人が見た印象です)。
しかし、最終第5戦は、両チームとも力の入った質の高い攻防になりました。
どちらも最高でも1エンドに2点までの得点で、ロコ・ソラーレの1点リードという僅差で最終10エンドに入りました。
図は後攻・ロコ・ソラーレ、藤澤選手の最終投の場面。
中心からは赤(北海道銀行)の1と2が近く、黄色(ロコ・ソラーレ)としては、赤の1よりも内側に入れたい。
赤の1より遠くて2より近ければ、北海道銀行に1点入って延長(エキストラエンド)へ。
赤の2よりも遠ければ、北海道銀行が逆転勝利となります。
平昌冬季五輪の三位決定戦の英国最終投に比べれば、難易度が高いとは言えないのでしょうが。
https://jukeizukoubou.blog.fc2.com/blog-entry-2481.html
プレッシャーがかかる場面で、藤澤選手は中心近くにドローショットを決め、世界最終予選の出場も決めました。
画像では、北海道銀行の船山弓枝選手のユニフォームの背中の文字がよく見えます。
つまり、前傾姿勢で待ち構えていて、黄色の勢いが強かったらスイープして下の方に逃がそう、と意図だったのでしょうが、円中心近くの矢印のあたりで止まりました。
藤澤さんのコントロールとロコの他のメンバーのスイープ加減の勝利。北海道銀行も、最後まで最善を尽くそうとしましたが、残念でした。
本当に、すごい試合でした。
試合後、ロコ・ソラーレ代表理事の本橋麻里さんが、吉村選手など北海道銀行の選手もハグして、「ライバルチームがいなかったらここまで強くなれなかった」と言った、という報道がありました。
(日刊スポーツ 9/12(日) 23:18配信 など)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba2e04e0edb6b84cae8ff615a19070f768d58b0e
考えてみれば、本橋さんも、吉村さんや船山(旧姓・林)さんも、北海道銀行を退いて日本カーリング協会理事になった小笠原(旧姓・小野寺)歩さんも、両チームの多くの選手も、北見市の旧常呂町やその周辺の出身であったり、チーム青森などさまざまな環境でプレーしながら日本のカーリングのレベルを上げてきた人たちなんですね。軽井沢など他の地域を拠点にした人たちもいて、戦いながら強くなって。
世界最終予選は、12月10日からオランダのレーワルデンで行われる予定のようです。
コロナ禍で出入国も練習環境も大変でしょうが、今回のようなプレーができれば、北京五輪出場権も手が届くのではないかと思います。