硬いこと言わずにテレビで応援したい

「五輪開催を批判したならテレビ見るな!」鈴木宗男氏が蓮舫氏に怒りあらわ
東スポWeb 7/29(木) 21:24配信

「五輪開催を批判したのならテレビを見る資格なし!」と日本維新の会鈴木宗男参院議員(73)29日、立憲民主党蓮舫代表代行(53)を念頭に宗男節をさく裂させた。

 政府は、神奈川・千葉・埼玉・大阪に緊急事態宣言を出す方針を固めて近く正式に決定する。期間は8月31日までで、すでに宣言が出ている東京都や沖縄県についても延長する見通しだ。

 東京都は連日、新規感染者が過去最高を更新。東京五輪新型コロナウイルス感染拡大を受けてこのまま続けるべきか、それとも中止の決断をするべきか。

 本紙の取材に宗男氏は「平和の祭典オリンピックは、国民の安心、安全を考えた上でスタートしたわけですから、日本の底力として成功させる。コロナ感染拡大は努力して減らすしかありません」と話した。

 この日、立憲民主党枝野幸男代表(57)は国会内で開いた会見で、開催中の東京五輪について「中止すればかえって大きな混乱を招くと強く危惧している」と中止を求めない意向を示した。

 これを受けて宗男氏はこう怒りをあらわにした。
共産党立憲民主党は、オリンピック開催に反対したわけですよ。五輪を反対したにもかかわらず、金メダルを取った人をほめたりしている輩がいますよ。腹立たしい限りですね」

 この国会議員は誰のことを指したのか。五輪反対の立場だった立民の蓮舫氏がすぐに思い浮かぶ。五輪が始まり、金メダルラッシュになるや、手のひら返しで、選手を祝福。「五輪が開かれていなければ、金メダルも取れなかった」とネット上では蓮舫氏の〝五輪応援コメント〟は連日、炎上している。

 宗男氏は「五輪に反対しといてね、そしてテレビで見ているはないでしょう。五輪に反対した以上、テレビを見るな!といいたい」と怒り心頭だった。
最終更新:7/30(金) 14:16
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e674f2aab7876eb4a120b14bf0b504e2487c0d3

 


まず、蓮舫氏の言動を擁護するつもりはありません(笑)

 

「五輪開催を批判したのならテレビを見る資格なし!」
これですね、問題は。

 

五輪開催を批判したり、懸念を示したりしているけれど、五輪放送を見ている国民は、けっこう多いだろうと思います。
鈴木氏は新党大地代表ですが、今は日本維新の会参議院比例区選出ですね。
北海道内にも「五輪開催反対だけど五輪放送は見る」という人は少なくないと思いますし、おそらく全国の維新支持者の中にも(比率はわかりませんが)いるでしょう。

新型コロナウイルスについては完全には解明されていない現時点では、前の記事で書いたように、「100%五輪開催反対」の人から、「100%有観客開催」の人まで、連続的に遷移しているように思います。

 

鈴木氏の発言がまずい理由は、いくつかあります。

 

1)五輪放送の視聴を制限することは困難

たとえばNHKの番組表を見ると、かなりの時間が五輪関連に割かれていることがわかります。
その分、レギュラー番組は、ほとんど姿を消しています。
朝ドラは残っていますが、大河の「青天を衝け」は休止中です。
ニュース系は編成上は残っていますが、少なくとも半分ぐらいは五輪関連です(残りの半分の多くは新型コロナ関連でしょう)。
政治家にせよ、一般国民にせよ、受信料を払っている限りは「NHKを見るな」とは言えないと思いますが、五輪関連を除外すると、見るもの(時間帯)があまり残りません。
政治家でも、N国(今の名称はわからん)の代表者を除けば、受信料の確信犯的滞納はしていないと思われるので、「見る資格なし」というのは法的には誤りです。

「道義的には見る資格ないだろう!」と鈴木氏なら主張するかもしれませんが、それを言い出すなら、「収賄等の有罪で被選挙権を失った経歴のある国会議員」の方が、少なくとも道義的には問題だろうと私は思います。
(もちろん、鈴木氏の被選挙資格の回復は、法的には問題ありません。)

 

2)選手は望んでいない(推測だけど、まず間違いなく)

五輪に参加している選手は、「五輪開催を批判したのならテレビを見る資格なし」と考えているのでしょうか?
そんなことは考えていない、と私は確信しています。
むしろ、五輪開催に批判的、懐疑的な人たちでさえ、自分たちの活躍でテレビを通じてでも応援してくれるようになったのなら、アスリート冥利に尽きる、という人もいるでしょう。

「え~、せっかく開催反対派でもテレビで応援してくれるようになったのに、収賄で失職した経歴のある変なオッサンがなんで反対するの?」
というところではないかと思います。

 

ただ、曲がりなりにも国会議員である蓮舫氏が、五輪開催反対なのに選手をほめる発信をするのはなんか引っかかる、という人は、鈴木氏以外にいるかもしれません。

そういう人々のために、もう少しマシな表現を。

 

「五輪開催を批判したのなら、テレビを見る資格はあるけど、選手の活躍にあやかって政治的発信をする資格はなし」

 

いかがでしょう。鈴木氏の表現との違いがおわかりでしょうか?

 

なお、個人的には、蓮舫氏のような発信もありだろうとは思います。
それで次の選挙のときに誰に投票するか、というのは、有権者の判断ですから。