五輪雑感(2021.7.24昼時点)

菅首相「最も心配したのは世論の分断」開会式前の米NBCインタビューで国民無視の持論
日刊ゲンダイ 公開日:2021/07/24 13:40 更新日:2021/07/24 13:40

 菅首相は日本時間23日午後、東京五輪開会式に先立って公表された米NBCテレビのインタビューで、改めて国民無視の持論を展開した。

 その中で菅首相「私が最も心配したのは、世論が分断されたことだった」と語ったのには驚いた。さらに「しかし日本は招致活動を行い、開催国に選ばれた。だからこそ大会ホスト国として、世界への責務を果たさなければならない」と、国民の生命よりも五輪が大事という持論を繰り返した。

 菅首相は、新型コロナウイルス感染の急拡大への懸念から、国民の7~8割が開催に反対していた東京五輪をゴリ押し開催して世論を分断させた張本人。自分がしたことが分かっていないのではないか。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/292362

 


ええと、私に言わせれば、菅首相日刊ゲンダイも、現状を理解していないということになります。

五輪や新型コロナ対策に関して、世論は分断されていますか?

「100%五輪開催反対」の人から、「100%有観客開催」の人まで、連続的に遷移しているように思うのですが。


国民の多数派は、その中間。

 

「選手(日本だけじゃなくて世界各国の)の努力は応援したいけれど、感染が拡大するのではないかと不安」
とか
「せっかく開催するなら、できれば見に行きたいけれど、ワクチン接種も完了していないし、テレビで見ようか」
とか、
いろいろな考え方、感情に揺さぶられながら、複雑な心情の人が多いのではないでしょうか。

(もちろん、感染者が増えると「反対」の比重が増え、状況によってはその逆の現象がおきるとは思いますが。)

 

 

スポンサー企業、サポート企業にしたって、
「会場で宣伝したり飲食物を販売したりして収益を確保したいが、ごり押しすると、それを上回る反発を食らって消費者が離れていく恐れがあるから」
というようなことを考えて、開会式の出欠やCMの流し方についての判断をしているのでしょう。
経済学者でありながらこういう面の知性を欠いている可能性のあるパソナの会長だけは、自社の欠席を棚に上げて、お気楽な炎上を楽しんでいるようですが、これは例外。

 

国民の中で分断の線が明確に引けるのではなく、国民や企業人など個人の中で、さまざまな葛藤が生じているのだろうと私は思います。

私自身、諸事情(国際的な「オトナの事情」)を勘案して、無観客開催ぐらいが妥当なところかなあ、と考えてきましたが、選手村内などでの感染が拡大すれば、考え方が変わる可能性は当然あります。

このような状況下では、これは当然だと思います。

「世論の分断」ではなく、「意見の多様性」というべきです。

次の冬季五輪開催国では無理でしょうが、政府の方針と異なる意見を口にすることが、日本では認められています。
首相は「世論が分断された」などと自嘲的な発言をするよりも、「国民の意見の多様性」をアピールすべきだった。

 

ついでに、昨夜の開会式などについて、個人的な意見です。


・最終聖火ランナーは大坂選手ではない方がよかった(このために彼女の競技日程が変更になっている。現役選手は自分の競技のコンディション調整を優先すべき。)。
読売巨人軍出身(のみ)の3人が聖火ランナーに起用されているのはバランスを欠く。
・プレイブックに反してマスクをしていなかった外国選手を処分すべき(重くなくてもよいから)。
・NHKは開会式関係よりもマイナー競技の予選等の中継に尽力すべきだった(無観客開催なのだから、民放でもネットでも見られない競技は、受信料をふんだくっているNHKが責任を持つべき)。
・人気があっても「嵐」や「カイト」は、上記マイナー競技の中継よりも優先すべきではない。