介護基準パブコメ結果5

地域密着型介護老人福祉施設

他の社会福祉施設等との連携を図れるならば栄養士を置かないことを可能とする際の連携の内容・方法等の明示がないのではないか。栄養士や生活相談員の業務内容の見直しと代替案の提示が必要ではないか。

 栄養士については、現行も入所定員40名以下の特養において置かないことができる場合を認めており、可能な場合として、「隣接の他の社会福祉施設や病院等の栄養士との兼務や地域の栄養指導員(健康増進法第19条に規定する栄養指導員をいう。)との連携を図ることにより、適切な栄養管理が行われている場合であること」と通知で示しているところです。また、サテライト型居住施設の生活相談員については、本体施設の支援相談員によるサービス提供が、本体施設及びサテライト型居住施設の入所者に適切に行われると認められるときに、置かないことを認めております。今回の見直しについても、同様の基準を周知してまいります。


サービス付き高齢者向け住宅における適正なサービスの確保

地域に利用者へのサービス提供を促す提案は、良いと思うが、施設入所の利用者数と地域の利用者数の割合を、ある程度定めておくほうが、地域連携を勧める上でよいと考える。

 地域によって、利用者の状況等が異なるため、一律に割合を定めることは困難であると考えますが、運用に関する詳細については、今後検討してまいります。


事業所側が努めても、結果として利用者が居ない場合には、違反となるのか。

 今回の改正案では、同一建物に居住する利用者以外の者に対してもサービス提供を行うよう努めることとしており、事業所の取組状況や地域の状況等に応じて判断されることと考えております。


現在当然のように同一建物に居住する利用者以外にも同様のサービス提供を行っている。これまでとどのように違うのかが分からない。今後、解釈通知などが出されると思うが、具体的で分かりやすい説明をしていただきたい。

 運用に関する詳細については、ご意見を踏まえ今後周知してまいります。


介護基礎研修の義務付け

認知症介護基礎研修以外の初任者研修や実務者研修等でも支障がないため、これらの研修の受講者も義務づけの対象外とするべきではないか。

 介護職員初任者研修や実務者研修等の受講者についても、認知症介護基礎研修と同等の研修を受講したものとして、義務付けの対象外とする方向で検討してまいります。


コロナ状況下でスムーズな受講が出来るのか不明慮である。また、数日間の研修を行うこととすると人材の確保が難しくなり実際の業務に支障が出ることが思慮される。義務付けにあたっては、自治体等により開催される本研修の頻度の確保、研修を受けようとする職員の時間の確保のための対策をとることが必要ではないか。

 研修カリキュラムの簡素化や全面eラーニングによる実施等により、研修の受講環境の整備に取り組んでまいります。


既存の認知症に関する講座(例:認知症サポーター養成講座など)を活用する方法も検討すべきである。上記のような講座を受講済みである無資格者は、認知症介護基礎研修の全部免除または一部内容の受講免除など、受講者の負担を軽減することも検討すべきと考える。

 認知症介護基礎研修は、認知症介護に携わる者が認知症の人や家族の視点を重視しながら、本人主体の介護を実施する上での、基礎的な知識・技術及び理念を身につけるための研修であり、認知症サポーター養成講座とは目的が違うため、受講の免除は難しいと考えております。
 一方で、受講者の負担軽減の観点から、研修カリキュラムの簡素化や全面eラーニングによる実施等により、研修の受講環境の整備に取り組んでまいります。


初任者研修・実務者研修と同様、介護現場から認知症系の研修の講師を育成できるような仕組みを検討いただきたい。

 認知症介護に関わる研修の企画・立案及び講師となる者を育成する目的で「認知症介護指導者養成研修」を実施しております。


医療・介護の無資格者だけではなく、看護師も介護福祉士も初任者研修者も取得後何の更新も必要ないため、認知症介護基礎研修は全員が受ける必要があるのではないか。

 認知症介護基礎研修は、認知症介護に携わる者が認知症の人や家族の視点を重視しながら、本人主体の介護を実施する上での、基礎的な知識・技術及び理念を身につけるための研修であり、看護師等については、その養成課程において、当該研修を上回る内容を習得しているものと考えております。


 「医療・福祉関係の資格を有さない無資格者」の定義が不明確である。社会福祉主事任用資格、旧ヘルパー3級、重度訪問介護従業者資格など、高齢者や障害者に対する支援に関係のある資格は幅広く含まれるという考え方でよいか。また、たとえば、保育士や栄養士のように、認知症高齢者の介護行為には直接関係のない資格についても含まれるのか。

 解釈通知等において、具体例を提示することを検討します。


義務付けができなかった場合には、介護報酬が減算になるのか。また、義務化後には、研修を受講していない者は採用できないのか。

 介護報酬の減算は想定しておりません。認知症介護基礎研修未受講者の新規採用の取扱いについては、採用後一定期間内の研修受講で可とする方向で検討しております。


研修にあたっては、受講者や事業者に負担がかかることのないよう、無料とすべきである。

 認知症介護基礎研修に係る費用については、実施主体により異なりますが、地域医療介護総合確保基金の助成対象としております。

 

(つづく)