「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の凄まじい人気が続いています。
週刊少年ジャンプでの連載から始まり、テレビアニメ、劇場版、歌、ゲーム、コスプレ、各種グッズなど、さまざまな分野に広がっています。
人気が出てから近づいた私がもっともらしいことを書くのもなんですが、設定を知るにつけ、「ジョジョの奇妙な冒険」との類似性を感じています。
同じ少年ジャンプ掲載作品として世に出た「ジョジョ」の中でも、特に第1部の終わりから第3部ぐらいにかけて、です。
(以下、「鬼滅」も「ジョジョ」も知らない、興味ない、という方には、わけがわからない記述となるかもしれません。)
<「鬼滅の刃」と「ジョジョの奇妙な冒険」との主な共通点>
1)主人公の敵方が異形の強さを持ち、ほとんど不死の存在(鬼、吸血鬼など)となっている。
2)敵方は、人間の血肉を欲して襲う。また、配下にするために異形の者を増やすこともできる。
3)敵方を倒すことは困難だが、太陽の光(日光)か、それから派生するような手段(日輪刀、波紋)で倒すことができる。
別に、「鬼滅」が「ジョジョ」の真似をした、というつもりはありません。
日本のマンガで、大正時代を舞台にしたSFや伝奇作品というのは珍しいし(私は知りません)、ほかにも「鬼滅」独特の設定、世界観はあります。
もっともユニークなのは、主人公の妹・禰󠄀豆子(ねずこ)の存在だろうと私は思います。
禰󠄀豆子は冒頭に敵のボスキャラに襲われて「鬼」になってしまう、悲劇のヒロインではありますが、人間を襲いたいという「鬼」としての欲求を意志の力などで抑え込み、「鬼」としての力で主人公側の貴重な戦力にもなっています。
禰󠄀豆子が人間に戻れるか、など、彼女についての謎も、作品の魅力の一つになっていると思います。
あと、少年ジャンプ作品には珍しく、人気絶頂の中で連載を終了し完結に至った(編集部の圧力?で、だらだらと続かなかった)ということもよかった、と個人的には考えています。
さて、ここからは、作品を離れて、どうでもいい話(いや、ここまでも、どうでもいい話ですが)。
令和の現代に、鬼はいるでしょうか?
私は、いると思います。
新型コロナウイルスのことではないですよ。
あれは、太陽の光に弱いという点はちょっと似ていますが、人間の体内に入ったとしても発症するとは限らず、発症したとしても生命の危機になるとは限らず、最悪でも(たしかに最悪ですが)死亡するだけです。
「鬼」という名に値するとすれば、感染した人や所属する団体(学校や職場など)のプライバシーを暴き、ネット上でさらし、どうかするとそれが誤った情報だったりする、そういう心ない人間の行為の方ではないでしょうか。
まあ、「鬼滅」の鬼と比べれば、そういう現代の「鬼」は、抑え込むことは容易だろうと思います。
・誰でも感染する可能性があるということ
・予防策を取っていたとしても(感染の可能性を下げることはできるが)危険性をゼロにすることは困難であること
・感染者を攻撃することは、将来的に感染予防に不利益をもたらしかねないこと(感染経路を調査するための協力が得られにくくなる)
こういうことについての想像力を働かせることができれば。
少なくとも、禰󠄀豆子が血への欲求を抑えるための努力に比べたら、ずっと簡単だろうと思います。
2020/10/25 14:35頃
追記1
新型コロナウイルス対策での給付金など公的資金を不正請求する事件がありますが、ああいうのも「鬼」の類だと思います。結局は一般国民からの血税をすすっているのですから。
まあ、普段なら、不正が横行しやすい制度を作った政官の関係者の責任も追及するべきかもしれませんが(たとえば、今の菅首相が官房長官の時代に、問題点を指摘して反対した官僚を左遷してまで導入したといわれる「ふるさと納税制度」<参考:「泉佐野市ふるさと納税訴訟判決」(https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2020/07/01/213143)>のように)、今回の支援策では、完璧な制度を目指すために精査する時間がなく、スピード重視で対応せざるを得ませんでしたから。
追記2
今年の漢字は「鬼」でしょうか?