介護保険最新情報Vol.848

令和2年6月15日付け事務連絡(介護保険最新情報Vol.848)

各 都道府県/指定都市/中核市 民生主管部(局) 御中

   厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室/高齢者支援課/振興課/老人保健課

  訪問系サービス事業所の介護サービス継続に向けた支援について

 訪問系サービス事業所が提供する各種サービスは、利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、十分な感染防止対策を前提として、利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供されることが重要である。
 このため、訪問系サービスを含むサービス類型別の感染防止のための留意点について、「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」(令和2年4月7日付厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡)等においてお示ししているところ。
 今般、訪問系サービスについて、職員の確保に向けた支援や感染拡大の防止に関する取組のノウハウの習得に向けた支援等の介護サービス事業所の事業継続に向けた支援策を別紙のとおり整理したので、お示しする。
 地域におけるサービスを継続するためには、訪問系サービス事業所に加え、通所系サービス事業所、介護保険施設等の地域の介護サービス事業所が、効果的に連携できる環境整備を行うことが必要であり、都道府県や市町村の支援が重要となる。このため、都道府県においては、地域医療介護総合確保基金の活用、市町村においては、在宅医療・介護連携推進事業の枠組みも活用し、支援を行うようお願いする。


別紙
訪問系サービス事業所の介護サービス継続に向けた支援について

1.職員の確保等に向けた支援
 ○ 訪問系サービス事業所において職員の確保が困難な場合の対応については、「社会福祉施設等における職員の確保について」(令和2年2月17日付厚生労働省子ども家庭局総務課少子化総合対策室ほか事務連絡)においてお示ししたところであるが、その支援に当たっては、以下の施策が活用可能である。
 (1)応援職員の派遣の調整や職員確保費用等の支払い職員が不足する事業所と応援派遣の協力が可能な施設間の調整費用及び応援職員を派遣する場合の旅費や宿泊費用等については、令和2年度1次補正予算において、災害福祉支援ネットワーク構築推進等事業の特別対策事業(社会福祉施設等への応援職員派遣支援事業)を盛り込んでいる。
  これに加え、令和2年度2次補正予算において、緊急時の応援に係るコーディネートを担う人材の確保等に係る費用に対する助成を盛り込んでいる。
  また、利用者や職員に感染者が発生した事業所や濃厚接触者である利用者に対応した事業所のサービス継続に必要な費用として、消毒・清掃費用、衛生用品の購入費用や介護職員の確保に要する費用等についても、令和2年度1次補正予算において補助を行うこととしており、職員に対する各種手当等の支給を含めて、柔軟に対応が可能である。加えて、休業した事業所等と連携して対応した事業所等に対する支援も行うこととしている。

 (2)応援職員のサービス提供に係る報酬請求や謝金等の支払い他の社会福祉施設等からの応援職員を確保し、サービス提供を行う場合、そのサービス提供時間等に応じた報酬請求が可能であること。また、それに基づく収入等を活用して、謝金の支払いを行うことが想定される。

2.感染拡大の防止に関する取組のノウハウの習得に向けた支援
 〇 訪問系サービス事業所の職員や利用者、家族等が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた基本的な所作等を習得できるよう、厚生労働省の委託により一般社団法人全国訪問看護事業協会が、動画「訪問介護職員のためのそうだったのか!感染対策」、「訪問サービスを受ける方のためのそうだったのか!感染対策」を作成したところであり、以下のURLより閲覧可能であるので、参考にされたい。
  https://www.youtube.com/playlist?list=PLMG33RKISnWj_HIGPFEBEiyWloHZGHxCc
(注:このリンクは、原本のPDFファイルではページをまたいでいて、適切なリンク先には飛びません。この記事ではくっつけています。)

 ○ また、感染拡大防止に向けたノウハウの習得に当たっては、他の社会福祉施設等に所属する看護師等の専門職の協力を得て、同行訪問や電話相談などの支援を受けることも考えられる。その支援に当たっては、以下の施策が活用可能である。
 (1)謝金等の支払い
  看護師等の専門職への謝金等の支払いに当たり、都道府県においては、地域医療介護総合確保基金(介護人材確保分)の「23.地域包括ケアシステム構築・推進に資する人材育成・資質向上事業」の活用が可能である。
  また、令和2年度2次補正予算において、外部専門家等による研修を実施した事業所に対する都道府県による助成を盛り込んでいるところであり、この予算を活用して訪問系サービス事業所を支援することも考えられる。
  一方、市町村においては、在宅医療・介護連携推進事業の「医療・介護関係者の研修」に該当することから、地域支援事業の活用が可能である。

 (2)看護師等の専門職の同行訪問による介護報酬算定
  訪問介護事業所が保健師、看護師、准看護師等の専門職の同行訪問による支援を受ける場合、利用者又はその家族等の同意を得たときには、2人の訪問介護員等による訪問を行った場合と同様に、100分の200に相当する単位数を算定可能である。

3.感染症対策を徹底した上でのサービス提供やサービス再開への支援
 ○ 令和2年度2次補正予算において、
  ・マスクや手袋、体温計や消毒液などの購入など、感染症対策実施のためのかかり増し費用に対する助成や、
  ・介護サービス事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給
  ・サービス利用休止中の利用者に対する、サービスの利用再開に向けた働きかけや環境整備等の取組に要する費用に対する助成
  など、都道府県から介護サービス事業所に対する各種の助成を盛り込んでいるところであり、この予算を活用して訪問系サービス事業所に対して支援を行うことも考えられる。

4.通所系サービス事業所に対する訪問の実施に当たってのノウハウの提供
 通所系サービス事業所が居宅への訪問によるサービスを開始するに当たって、訪問に関するノウハウの習得を必要とする場合には、訪問系サービス事業所が、その職員による同行訪問等により通所系サービス事業所に対し支援を行うことも考えられる。
 その際、都道府県においては、地域医療介護総合確保基金(介護人材確保分)の「23.地域包括ケアシステム構築・推進に資する人材育成・資質向上事業」の活用が可能である。
 また、市町村においては、在宅医療・介護連携推進事業の「医療・介護関係者の研修」に該当するものとして、地域支援事業が特例的に活用可能である。

5.介護報酬算定の特例
 介護報酬算定の特例として、一時的に人員や運営の基準を満たすことができない場合に、報酬を減額しないことや、感染防止のためにサービスの短時間の実施となった場合も従来通りの報酬算定を可能とすること等について、事務連絡等で示してきているところである。サービス別の特例については、「「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」のまとめについて」(令和2年4月20日厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室ほか事務連絡)のとおりHP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000045312/matome.html)に掲載しているので、参考にされたい。

 

(参考)

【1.職員の確保に向けた支援】
・「社会福祉施設等の介護職員等の確保支援」
 別添1
・「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所等に対するサービス継続支援事業の実施について」
 別添2

【3.感染症対策を徹底した上でのサービス提供やサービス再開への支援】
・「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)」
 別添3

【その他】
・「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」(令和2年4月7日付厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡)
 https://www.mhlw.go.jp/content/000620724.pdf

 

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この後、別添1~別添3がありますが、この記事では(今のところ)省略しています。