眉村卓さん

作家、眉村卓さん死去 85歳 「ねらわれた学園」「妻に捧げた1778話」、本紙「朝晴れエッセー」選考委員も
産経新聞 11/3(日) 12:11配信)

 小説「ねらわれた学園」や短編集「妻に捧げた1778話」などで知られる作家で、本紙朝刊1面の読者投稿「朝晴れエッセー」の選考委員を務める眉村卓(まゆむら・たく、本名・村上卓児=むらかみ・たくじ)さんが3日午前4時1分、誤嚥性肺炎のため大阪市内の病院で死去した。85歳だった。

 昭和9年、大阪市出身。大阪大学経済学部を卒業後、会社員を務める傍らSF同人誌「宇宙塵(じん)」に参加、36年に「下級アイデアマン」が「SFマガジン」の「空想科学小説コンテスト(現ハヤカワSFコンテスト)」に佳作入選し、デビュー。40年から専業作家となり、54年に「消滅の光輪」で泉鏡花文学賞星雲賞を受賞した。

 SF作品にとどまらず、短編やエッセー、中学生向けのジュブナイル小説など多数の作品を発表。「なぞの転校生」「ねらわれた学園」はテレビドラマや映画にもなった。平成16年にはがんで闘病中だった妻にむけて書いた短編集を「妻に捧げた1778話」として出版。ベストセラーとなり、映画化もされた。

 18年からは、夕刊1面(大阪本社発行)の読者投稿「夕焼けエッセー」の選考委員に。今年4月に朝刊掲載に移行してからも、すべての掲載作品に目を通し、選考を続けていた。24年に食道がんを患い、30年にはリンパ節転移の再発で放射線治療を受けたが、最後まで執筆活動に取り組んでいた。

最終更新:11/3(日) 13:06

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本紙(産経新聞)云々とあるのはどうしようかと思いましたが、

眉村さんが最後まで活動されていたことの証拠でもあること、

また、早期に詳しく記事をまとめた記者に敬意を表して、

そのまま引用することにします。


また、「宇宙塵」というのは、日本SFの近現代における創生期とでもいうべき時期に柴野巧美氏が主宰し、星新一小松左京筒井康隆光瀬龍らの各氏が作品を発表し、作家として飛び立っていった同人誌です。

眉村さんも、SFが市民権を得るに至った過程の中で大きな役割を果たした大家の一人だと思います。

 

とはいいながら、私自身や、比較的年齢の近い人間にとっては、ジュブナイルの名手として、またNHK少年ドラマシリーズの原作者としての印象が一番強いのではないでしょうか。


以前、「少年ドラマシリーズの記憶」という記事を書きましたが、
https://jukeizukoubou.blog.fc2.com/blog-entry-340.html

 

1974年:まぼろしのペンフレンド
1975年:なぞの転校生
1977年:未来からの挑戦幕末未来人

 

という4作品は、眉村さんの原作(あるいは原案)です。

少年少女たちをSFの世界に引き込んだ、ということこそが、最大の功績かもしれません。

お礼を申し上げるとともに、ご冥福をお祈りします。