カンボジアと連携して地雷除去支援

「除去に最低10年」地雷残るウクライナ 政府〝日本式〟で支援 探知機供与し使用訓練
産経新聞 1/20(金) 14:26配信

日本政府は今月、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、露軍が放置した地雷・危険物の除去に向けた支援をスタートさせた。地雷対策で協力してきたカンボジアと連携し、すでに同国の地雷原などでウクライナ側に研修を実施。今後供与する予定の日本製探知機の使用訓練などを行った。〝日本式〟の技術や知見を生かし、戦禍からの復興を長期的に支援する考えだ。

ウクライナ政府の調べでは、露軍の占領地域を含む国土の約25%に地雷や不発弾の危険物が放置されている。約500万人が近隣に暮らし、死傷者も出るなど復興を妨げている。地中や水中、ぬいぐるみに仕掛けた爆弾もあり、「除去に最低10年以上かかる」(日本政府関係者)という。

ウクライナでは非常事態庁(SESU)が地雷除去作業を担っているが、人手が十分でない上、現在使う金属探知機ではクギなどの金属片と見分けられず、地雷探知までに時間がかかるケースも少なくない。

今回の支援の核となるのが、作業効率化につながる日本製地雷探知機「ALIS」の供与だ。外務省によると、地中地雷を迅速に可視化するレーダーがついた世界でもまれな探知機で、1970年代以降の内戦時の地雷が残るカンボジアなどで活用されてきた。ウクライナの負担軽減に大きく貢献できるという。

15~20日にはカンボジア中部コンポンチュナンや西部バタンバンの地雷原などで、SESU職員8人に実地研修を実施。ALISを開発した東北大の佐藤源之教授から指導を受け、実際の地雷除去の様子も視察した。22日からは来日し、今後の協力方法を協議。世界的に評価の高い地雷除去機メーカーも視察する。

支援は政府開発援助(ODA)を活用し、国際協力機構(JICA)を通じ行う。まずはALIS4台を供与し、当面は首都キーウ(キエフ)近郊で使われる予定だ。必要に応じ追加供与も検討する。今後数カ月内にポーランドで2回目の研修を行い、フォローアップする。侵攻が長期化する中、日本として息の長い支援を続ける方針だ。

外務省担当者は「地雷対策は日本の復旧復興支援の柱。現地の生活再建だけでなく、露の侵略に中立的な途上国を含め、ウクライナ支援の重要性を広く促す意味でも大事な試みだ」と話している。(桑村朋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/10afcfff6e3e59799368aefffddb401b6f3055d8

 


ウクライナでの戦闘は続いており、本格的に地雷除去を進めるまでには、残念ながら時間がかかることとは思いますが、こういう支援は重要なことだろうと思います。

 

カンボジアは中国の影響が強い国のひとつとみなされていますが、国連総会でのロシア非難決議では賛成したり、国連人権理事会のロシアの資格停止決議では棄権したり、という、西側から見ればちょっと微妙な立場にあるのかもしれません。


しかしながら、カンボジア自身が地雷や不発弾に苦しんできた国であり、こういうウクライナ支援については協力の意向を示しやすいのでしょう。
(もっとも、カンボジア国内の地雷等の除去については、日本の長年の支援などにもかかわらず、まだ未処理の地域が残っていますが。)

 

ともかく、こういうカンボジアの協力はウクライナにとっても日本外交にとっても重要な意義があることで、ロシアの偽りの多い主張を代弁しているようにしか見えないどこかの国の国会議員氏も見習っていただきたいものです。

#カーリング沼 日本選手権直前スペシャル

JCAがお送りする公式YouTube企画「#カーリング沼 へようこそ」では、シーズン中、大会直前ではありますが、SC軽井沢クラブ(PCCC男子日本代表)から栁澤李空選手(初登場!)、山口剛史選手、そして昨年まで富士急で活躍されていました小穴桃里選手にお声掛けして、準備を進めています!

2023年1月21日(土)21:00配信開始(予定)!
https://note.com/japan_curling/n/ncca0cae1edf3

 


↑これを書いている岩永氏や、ゲストの顔ぶれを見ると、ロコ・ソラーレグランドスラム初優勝の件についても、何か触れそうな気はします。

 

さて、日本カーリング選手権(1/28~2/5。1/28は公式練習等のみで予選は1/29から)。
出場チームや日程については、こちらのウェブサイトに出ています。
https://japan-curling.jp/

 

無観客での開催ですが、NHK(BS)中継や、ネット配信はありそう。

 

女子について補足すると、北海道銀行は新加入の山本冴選手がリザーブに、東京都協会は小穴桃里選手がやはりリザーブの登録となっています。

ワイルドカードは、今回は2枠あります。
LS北見 (ロコ・ステラ=北海道)、Jupiter (東北)、神奈川Cotton Pot (関東)、MY軽井沢 (中部)、岡山CC (西日本)の5チームが争うことになります。

ロシア兵の死者数は報道されない?

鈴木宗男氏が主張 報道が不公平で「ウクライナに同情が寄る」ロシア兵の死者数報じられない
デイリースポーツ 1/17(火) 10:23配信

 日本維新の会鈴木宗男議員が16日、更新したブログで、ウクライナ人が何人亡くなったというニュースは出るのに「ロシア人が何人死んだというニュースは出ない」と疑問を投げかけた。

 宗男氏は「ウクライナ紛争の報道で、ロシアが攻撃しウクライナ人が何人亡くなったというニュースは出るが、ウクライナの攻撃によりロシア兵、ロシア人が何人死んだというニュースは出ない」と指摘した。その上で「メディアは公平とか公正を旨としてと、よく使うがウクライナ問題に関しては圧倒的にウクライナの報道量が多いと感じる。こうした流れに視聴者も段々引きずられ、ウクライナに同情が寄る面が出てくるのではないか。」と主張。ウクライナ側の情報量が多く、報道の公平性が保たれていないために、ウクライナに同情が集まっているとした。

 さらに「それぞれ世界でたった一つの命である。命を守るためには『停戦』しかない。メディアから『停戦すべきだ』という発言がないことは残念である。15日のワシントンにおける岸田総理の記者会見でも停戦に向けての言及はなかった。『核なき世界』という前に、先ずは『停戦』と思うのだが…。」と従来通りの持論を展開した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a7142c009abb269878da26c78a23e93c085ff63a

 


鈴木宗男氏のブログについては何度も触れていますが、今回はあまりに内容が・・・

 

でも、一応、突っ込んでおきますね。

 

1)ウクライナ人の死亡者は、多くが民間人です。子どもたちも少なくありません。

2)ロシア人の死亡者は、ほぼ軍人軍属で、しかもウクライナ領内に侵略した軍隊か、ウクライナの民間人を攻撃するための軍用機の基地などにいた人間です。ウクライナ侵略に無関係な民間人が、ウクライナからの攻撃で死んだという情報はありません。

3)そもそも、ロシア軍の死亡者数をロシア側が秘匿していました。今も正確な数字は公表していません。


>命を守るためには『停戦』しかない。

これは正しい。
だから、ロシアはただちに攻撃を停止し、ウクライナから軍を撤退すべきです。
ロシア軍の撤退時や、撤退後に、ロシア領を攻撃しないようにウクライナ政府に働きかけることなら、日本政府も欧米諸国も可能と思います。

決勝戦の最終風景

ロコ・ソラーレのカナディアンオープン優勝については、各種の報道のほか、選手や関係者からの祝福の声が寄せられているようです。

決勝進出のときの吉田知那美選手のインスタグラムには、サラ・マクマナス選手(たしか出産後)から「Good luck(ハートマークと握りこぶしマーク)」のコメントが入っていました。

また、優勝後には、ほぼ日本語のみのインスタ(ただし動画付き)なのに、イブ・ミュアヘッドさんからの祝福メッセージが。
グランドスラムの公式インスタ(?)のロコ優勝記事には、チーム・ホーマンのアカウントで「Congrats on your first slam win!(ハートマーク)」が。

海外からだけでなく、知那美選手のインスタで彼女の親友として知られる元選手の名前を見たような気がしますし、フォルティウスの吉村紗也香選手や、元富士急の小穴桃里選手はツイッターで優勝を取り上げています。
とかく反応の遅さが話題になるらしい(?)日本カーリング協会JCA)も、ツイッターで。

 

さて、グランドスラムのインスタに、決勝戦のハイライト動画が掲載されています。
そのゲームの最終場面を図にしてみました。
赤がチーム・フジサワ(ロコ・ソラーレ)、黄がチーム・エイナーソン。

チーム・フジサワが2点リードしているので、チーム・エイナーソンは2点以上を取らなければ負けます。

 

 

ここでチーム・エイナーソンはタイムアウトを取りました。
コーチが何か言っていますが(すみません、私は正確にはわかりません)、局面を見つめていたエイナーソン選手は、振り返ってチーム・フジサワに握手を求めに行きました。
コンシードです。チーム・フジサワの優勝が決まりました。

 

素人なりに考えるなら、2点を取るためには、

A1)直接、赤のNo.1を狙って1と2をダブルテイクアウトし、かつ、その投げた石(シューター)を赤の4より内側に残す

A2)直接、赤のNo.1を狙って1と2と4をトリプルテイクアウトし、かつ、その投げた石(シューター)をハウス内に残す

 

B1)直接、黄のNo.3を狙って、赤の1と2をダブルテイクアウトし、かつ、No.3だった石もシューターも、赤の4より内側に残す

B2)直接、黄のNo.3を狙って、赤の1と2と4をトリプルテイクアウトし、かつ、No.3だった石もシューターも、ハウス内に残す

 

C)黄のガード(XかY)を狙って、そのガードをハウス内に飛ばして(ランバック)、上のどれかの状況を作り出す(飛ばしたガード、No.3だった石、シューターのうち、2個はハウス内で得点となる位置に残す必要がある)

 

というあたりでしょうか。

 

無理です(笑)

ダブルテイクアウトは可能性がゼロではないと思いますが、どの選択でも黄が2個以上、有効な得点範囲に残るとは思えません。
黄のXYも、どういう経緯で配置になったのかわかりませんが、少なくともこの局面ではない方がよい石になっています(No.3へのアプローチを難しくしている)。

 

エイナーソン選手は、たぶんもっと高度で精密な判断だったのではないかと思いますが、結局「いちかばちか」というショットを狙わず、コンシードを選びました。
将棋で投了を決めた棋士のように、爽やかなふるまいに見えました。
世界ランクNo.1の風格でしょうか。

ロコ、グランドスラム初優勝

カーリンググランドスラムと呼ばれる大会のひとつ、カナディアンオープンで、ロコ・ソラーレが優勝しました。
(各種のメディアに出ていると思いますが、たとえば、デイリースポーツ 1/16(月) 9:32配信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d3c2d388a073fdba4e0ee2103c8f4e430a1c14a

 

日本勢として初優勝(準優勝はフォルティウスが2019年にマスターズで達成済)など、いろいろ報道されると思いますが、せっかくの機会なので、この大会の「トリプルノックアウト」と呼ばれるシステムから見ていきます。

 

16チーム参加して、まずAイベントを戦います。
ロコ・ソラーレ(チームフジサワ)は3連勝で準々決勝進出の権利を獲得(AQ=Aイベントでのクォリファイ、で便宜上、図の上から2番目ということで「AQ2」と表記しています)。

 

 

敗れたチームはBイベントに回ります。丸付き数字やローマ数字などでイベント間の動きを表示してみましたが、かえってわかりにくかったらすみません。
Aイベントからの通算で3勝したら勝ち抜け(BQ)。

 


Bイベントでも敗れたチームはCイベントに回ります。

Cイベントで敗れたチームは、そこで大会終了。

 


要するに、3敗するまでに3勝すれば予選突破。

 

そして、勝ち抜けの8チームで準々決勝

AQ2 フジサワ 8-7 ハッセルボリ CQ1  BQ3 キム 6-5 アクランド AQ1
AQ1 ヴラノー 4-3 ジョーンズ CQ3  CQ2 エイナーソン 7-2 ホーマン BQ1

 

準決勝
フジサワ 7-6 キム  エイナーソン 8-2 ヴラノー

決勝
フジサワ 5-3 エイナーソン

 

ロコ・ソラーレは、僅差の試合が多かったですが、結果として予選から6連勝で優勝しました。
五輪翌年のこの時期は、チーム再編成やら産休やら3人プレーやらが少なくないという要素はありますが、ティリンツォーニ(スイス)、ハッセルボリ(スウェーデン)、キム・ウンジ(韓国)らに勝ち、エイナーソン(カナダ)には2勝という結果はすばらしいと思います。

介護事業者の倒産、過去最多

去年全国の介護事業者倒産143件 8割が小規模経営
NHK 01月15日 11時10分

去年の介護事業者の倒産は143件と、これまでで最も多かった3年前を上回り、過去最多となったことが分かりました。
大半が小規模な事業者で、介護サービスの利用控えや物価高騰などで経営が悪化したとみられ、統計をまとめた信用調査会社は「今後も増える恐れがある」としています。

東京商工リサーチによりますと、去年1年間に倒産した介護事業者は全国で合わせて143件で、前の年の81件の1.7倍に増えました。
3年前の118件を25件上回って、2000年に始まった調査で最も多くなり、負債総額も過去最多の221億3800万円に上ったということです。
内訳はデイサービスなどの「通所・短期入所」が69件と最も多く、各地でデイサービスを展開していたグループ企業の連鎖倒産もあったということです。
そのほか「訪問介護」が50件、「有料老人ホーム」が12件、「その他」が12件となっています。
また、従業員10人未満の小規模な事業者の倒産が8割を超え、感染が拡大した時期の介護サービスの利用控えによる減収、食材などの物価や光熱費、燃料費の高騰の影響がのしかかり、経営悪化が進んだとしています。
東京商工リサーチは「介護現場ではヘルパーなどが不足して人材獲得競争も激化していて、今後も利用控えや物価高が続けば、小規模事業者を中心に倒産が一段と加速し、必要なサービスを受けられない人が増える恐れがある」と指摘しています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230115/1000088571.html

 


しばしば制度の「持続可能性」というようなものが語られます。
特に、介護保険制度についてなら、財務省など「スポンサー筋」あたりから。
(本当のスポンサーは国税地方税の納税者、あるいは介護保険料の負担者であって、財務省といえどもその代理人のひとつに過ぎないとは思いますが。)
それは「介護報酬を上げ過ぎると財政的に苦しいから上げるな」というような文脈で語られることが多いように思いますが、実際のところ、介護に携わる存在(事業者やそこで働く人々)がいなくなったら、「財政が苦しい」以前に制度の持続が困難になるわけです。

介護報酬などのあり方については、そのあたりのことも含めて議論していかないと、持続可能性どころの話ではなくなります。

インドと鈴木宗男氏の違い

林外相「世界は野蛮な力と威圧のジャングルと化す」…安保理で「法の支配」の重要性訴え
読売新聞オンライン 1/13(金) 11:59配信

【ニューヨーク=阿部真司、金子靖志】林外相は12日午前(日本時間13日未明)、国連安全保障理事会公開討論会で演説し、ロシアによるウクライナ侵略を念頭に「法の支配」の重要性を訴えた。米欧などからは賛同する声が相次いだが、ロシアや中国は反発した。討論会は、対露包囲網の強化に向け、1月の安保理議長国を務める日本が主催した。

 計77か国の代表が参加した。議長を務めた林氏は、ウクライナ侵略を踏まえ、「(法の支配がなければ)世界は野蛮な力と威圧のジャングルと化す。法の支配は、力や威圧によって国境を書き換えることを決して許さない」と強調した。「ウクライナ侵略を直接的・間接的に支援することを控えよう」とも呼びかけた。

 米国は「侵略は法的根拠がなく、国連憲章違反だ」と批判し、英国も「武力の行使といった国連憲章に従わない行為は、我々全員に対する脅威だ」と主張するなど、米欧からはロシア批判が続出した。

 ウクライナは、「ロシアの刑事責任を問う特別法廷を設置すべきだ」と各国に訴えた。

 ロシアと一定の距離を保つインドは、「紛争の平和的解決には『法の支配』の強化が重要だ」と発言した。ロシアの影響力が強いアルメニアも、「正義の実現には『法の支配』の堅持が不可欠だ」と指摘した。

 一方、ロシアは「西側諸国が『国際平和と安全に対する脅威をロシアが引き起こした』とのストーリーに仕立てたいだけだ」と激しく反発した。ロシア寄りの姿勢を保つ中国は、「国際的なルール作りは一部の国によって行われてはならない」と米欧を批判した。

 林氏は演説後、記者団に「多くの国が日本の問題提起に応じて力強い発言をした」と総括した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2558e113ac97f5a3a566d50e53530337f302199f

 


日本維新の会」の参議院議員である鈴木宗男氏は、「インドの立ち位置を見習うべき」という趣旨の発言が過去にあります(たとえば、同氏の2022年9月17日のブログ)。

しかしながら、モディ首相などインドの政治家は、ロシア側の主張を鵜呑みにした発言というのは見受けられないように思います。
武器・兵器の調達などロシアとの歴史的関係はあるから、国連総会の各種非難決議には棄権し、経済制裁にも参加しませんが、ロシアが正しいともウクライナにも悪いとところがあるとも、少なくとも公的な立場での発言は報道されていません。


このあたりは鈴木宗男氏とは異なります。

 

そして、「平和的解決」だけでなく、「法の支配」にも言及しています。
これは当然、武力侵略を容認しない国連憲章も含んだ概念で、だからこそ中露が反発したのでしょう。

モディ首相も、昨年9月16日に、プーチン大統領に対して「今は戦争の時代ではない」と述べ、ウクライナで続く戦乱の早期終息を促しています。
共同通信 2022/9/16(金) 23:22配信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd608ac65c93abd1050ff83637de3d5b29aaf6ef

 

インドの立ち位置は、中立といえば中立的でしょう。
しかし、戦闘が長引き人道危機が長期にわたって継続している中、ロシアにとって不愉快な発言も、けっして行っていないわけではありません。
このあたりも、鈴木宗男氏とは全く異なるように思えます。

 

鈴木氏も、インドの立ち位置を見習って、せめて「ロシア発信の情報だけをもってウクライナを不当に貶めるような発言」を慎んではいかがでしょうか。
どうせ、モディ首相のようなロシア側に対する苦言は無理だと思いますので。